試験当日の朝です。会場に向かう電車やバスの中で見るなら、新しい論点ではなく「誰が・誰に」の確認がおすすめです。行政法の肢は、主語や相手を入れ替えるだけで誤りにできるので、ここが固まっていると迷いが減ります。
前提:主語を入れ替えたひっかけが多い
「処分をした行政庁を被告とする」「処分庁に審査請求する」「審査庁が執行停止をする」——どれも、ある条件では正しく、別の条件では誤りです。条文を全部思い出す必要はありません。下の表の「原則」と「例外の言葉」だけを確認してください。
1枚の表:誰が・誰に・どこへ
| 場面 | 原則 | 例外・ひっかけの言葉 |
|---|---|---|
| 取消訴訟の被告 | 処分をした行政庁が所属する国または公共団体 | 所属がない行政庁なら、その行政庁(行訴法11条) |
| 取消訴訟の管轄 | 被告の所在地、または処分庁の所在地の地方裁判所 | 国が被告なら、原告の住所地を管轄する高裁所在地の地裁も(12条4項) |
| 審査請求先 | 上級行政庁がないなら処分庁、あるなら最上級行政庁 | 主任の大臣、宮内庁長官・外局の長の特例(行審法4条) |
| 再調査の請求 | 処分庁に | 法律に定めがあるときだけ(5条) |
| 再審査請求 | 法律に定める行政庁に | 法律に定めがあるときだけ(6条) |
| 執行停止(行訴法) | 裁判所が申立てにより | 内閣総理大臣の異議は裁判所に対して(27条) |
| 執行停止(行審法) | 審査庁 | 上級庁・処分庁である審査庁は職権でも可、それ以外は申立てで(25条) |
| 聴聞の主宰者 | 行政庁が指名する職員など | 当事者・利害関係人などはなれない(行手法19条) |
| 国家賠償の相手 | 国または公共団体 | 公務員個人は被害者に直接責任を負わない(判例) |
試験で問われること
1. 被告は「行政庁」ではなく「国・公共団体」
平成16年の改正から、取消訴訟の被告は原則として行政主体(国・公共団体)です。「処分をした行政庁を被告として提起しなければならない」は、原則の場面では誤りです。ただし、処分の取消しの訴状には処分をした行政庁を記載する、という点は別に覚えておきます。
2. 審査請求は「最上級」
上級行政庁があるときは「直近の上級行政庁」ではなく最上級行政庁です。「直近の」という言葉が出たら、まず疑ってください。
3. 執行停止の主語は法律で違う
行政事件訴訟法では裁判所、行政不服審査法では審査庁です。行訴法の執行停止は職権ではできません(申立てが必要)。行審法では、処分庁の上級行政庁または処分庁である審査庁は職権でもできます。
最後の確認:時間配分と見直し
- 試験は13時から16時の3時間
- 法令等で122点以上、基礎知識で24点以上、合計180点以上が合格基準
- 記述式は白紙にしない。問いの形をそのまま骨組みにする
- マークのずれは、大問の切れ目ごとに確認
配点と時間の使い方は配点と合格基準、3時間の時間配分に、取消判決の効力は第三者効と拘束力の記事にまとめています。前夜の確認は審理員と行政不服審査会もどうぞ。
結論
- 被告は国・公共団体、審査請求は処分庁か最上級行政庁
- 執行停止は、行訴法なら裁判所、行審法なら審査庁
- 「直近の」「行政庁を被告に」「職権で」は、ひっかけの合図
ここまで積み上げてきた分を、そのまま出してきてください。終わったら、行政書士まとめページで自己採点の記事も用意しておきます。

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