行政書士試験まであと6日。地方自治法の直接請求は、「何分の1の署名で」「誰に請求して」「最後はどうなるか」の組み合わせを問う問題がよく出ます。数字と請求先が5種類あって混ざりやすいので、1枚の表で覚えてしまいましょう。最後に、よく混同する住民監査請求との違いも並べます。
前提:直接請求は「有権者の署名」が必要な制度
直接請求は、その自治体の選挙権を持つ住民(有権者)が、一定数の署名を集めて行う請求です。署名の数は2種類だけで、条例と監査は50分の1以上、解散と解職は3分の1以上です。
解散・解職の3分の1は、有権者が40万人を超える大きな自治体では緩和されます(40万を超え80万以下の部分は6分の1、80万を超える部分は8分の1を掛けて合算)。
5つの直接請求を表で比べる
| 請求の種類 | 必要な署名 | 請求先 | 請求のあと |
|---|---|---|---|
| 条例の制定・改廃 | 1/50以上 | 長 | 長は20日以内に議会を招集し、意見を付けて付議 |
| 事務の監査 | 1/50以上 | 監査委員 | 監査して結果を公表し、議会・長などに報告 |
| 議会の解散 | 1/3以上(緩和あり) | 選挙管理委員会 | 住民投票で過半数の同意があれば解散 |
| 議員・長の解職 | 1/3以上(緩和あり) | 選挙管理委員会 | 住民投票で過半数の同意があれば失職 |
| 副知事・副市町村長などの解職 | 1/3以上(緩和あり) | 長 | 議会で2/3以上が出席し、その3/4以上の同意で失職 |
試験で問われること
1. 請求先の引っかけ
「議員の解職請求は長に対して行う」は×(選挙管理委員会)。「副知事の解職請求は選挙管理委員会に対して行う」も×(長)。住民投票をするものは選挙管理委員会、議会で決めるものは長、と結びつけると覚えやすくなります。
2. 条例の制定改廃請求は「議会が決める」
条例の請求は、署名が集まっても条例が自動的にできるわけではなく、最後は議会の議決です。また、地方税の賦課徴収や分担金・使用料・手数料の徴収に関する条例は、請求の対象から外されています。
3. 請求できない期間がある
議会の解散請求は、一般選挙の日から1年間と、解散の投票の日から1年間はできません。議員・長の解職請求も、就職の日から1年間と、解職の投票の日から1年間は原則としてできません。
住民監査請求との違い
事務監査請求と住民監査請求は、名前が似ていて毎年のように比べられます。
| 事務監査請求(直接請求) | 住民監査請求 | |
|---|---|---|
| 請求できる人 | 有権者の1/50以上の連署 | 住民なら1人でも(選挙権は不要、法人も可) |
| 対象 | 自治体の事務全般 | 違法・不当な財務会計上の行為・怠る事実 |
| 期間の制限 | なし | 行為のあった日(終わった日)から1年以内(正当な理由があれば例外) |
| その後 | 裁判に進む制度はない | 結果に不服なら住民訴訟(30日以内) |
結論
「条例と監査は50分の1、解散と解職は3分の1」「住民投票は選管、議会で決めるのは長」。この2行に、住民監査請求は1人でもできて住民訴訟につながる、を足せば、直接請求の問題はほぼ判断できます。
行政法の直前の見直しには、国家賠償法1条と2条の違い、抗告訴訟の準用も合わせてどうぞ。試験後の自己採点と合格発表までの流れは解答速報と自己採点のしかたに、記事の一覧は行政書士のまとめページにあります。

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