行政法の「教示」を1枚の表で|行審法82条と行訴法46条の違い、教示しなかった・誤ったときの救済【行政書士 直前】

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教示の違い 行審法82条と行訴法46条

行政書士試験まで、あと2日です。行政不服審査法と行政事件訴訟法の両方に出てくるのに、混ざりやすいのが「教示」です。

教示は、処分をするときに「不服があるなら、どこに、いつまでに申し立てられるか」を相手に知らせる仕組みです。本試験では、行審法と行訴法で教示する中身を入れ替えた肢や、教示しなかった・誤って教示したときの救済がよく問われます。この記事では、違いを1枚の表にまとめました。

目次

前提:教示の規定があるのは行審法と行訴法

教示のルールは、行政不服審査法82条・83条(あわせて誤った教示の22条)と、行政事件訴訟法46条にあります。行政手続法には、一般的な教示の規定はありません。「行政手続法上、教示しなければならない」という肢が出たら、まず疑ってください。

どちらも「書面で処分をするとき」に書面で教示するのが原則で、口頭で処分をするときは教示しなくてよい点は共通です。

試験で問われること1:何を教示するか

比べる点行政不服審査法(82条)行政事件訴訟法(46条)
教示する場面不服申立て(審査請求・再調査の請求など)ができる処分を書面でするとき取消訴訟を提起できる処分・裁決を書面でするとき
教示する相手処分の相手方処分・裁決の相手方
教示する中身①不服申立てができる旨
②不服申立てをすべき行政庁
③不服申立てができる期間
①取消訴訟の被告とすべき者
②出訴期間
③審査請求前置ならその旨(裁決主義ならその旨も)
口頭で処分する場合教示しなくてよい教示しなくてよい
利害関係人から求められたとき教示しなければならない(82条2項)。書面を求められたら書面で(82条3項)規定なし
教示しなかったときの救済処分庁に不服申立書を出せる(83条)規定なし(出訴期間の「正当な理由」などで救済)

いちばんの入れ替えポイントは、行審法は「すべき行政庁」、行訴法は「被告とすべき者」という点と、利害関係人への教示義務は行審法だけという点です。

試験で問われること2:教示しなかったとき(行審法83条)

処分庁が教示をしなかった場合、処分に不服がある人は、処分庁に不服申立書を提出できます(83条1項)。

  • 処分庁以外の行政庁に審査請求できる処分なら、処分庁はその不服申立書を審査庁となるべき行政庁に送付する
  • 送付されたときは、初めからその行政庁に審査請求がされたものとみなされる
  • 処分庁に審査請求できる処分なら、初めから処分庁に審査請求がされたものとみなされる

「教示がなかったので、改めて正しい行政庁に申し立て直さなければならない」という肢は×です。

試験で問われること3:誤って教示したとき(行審法22条)

誤りの内容どうなるか
審査請求すべき行政庁でない行政庁を教示し、そこに審査請求した教示された行政庁は、審査請求書を処分庁または審査庁となるべき行政庁に送付し、審査請求人に通知。初めから正しい行政庁に審査請求されたものとみなす
再調査の請求ができない処分なのに、できると教示し、再調査の請求をした処分庁は、再調査の請求書などを審査庁となるべき行政庁に送付し、初めから審査請求されたものとみなす
再調査の請求ができる処分で、審査請求ができる旨を教示せず、再調査の請求をした請求人から申立てがあれば、処分庁は審査庁となるべき行政庁に送付する
期間を本来より長く教示した条文上の明文はないが、期間を過ぎても「正当な理由」(18条1項ただし書)として救済されうる

共通する考え方は、行政側の誤りで国民が不利にならないように、「送付」と「初めからされたものとみなす」で救うということです。

試験で問われること4:行訴法の教示で救済はどうなるか

行訴法46条には、教示をしなかった・誤った場合の効果を定めた条文がありません。救済は別の条文で考えます。

  • 出訴期間を過ぎた:正当な理由があれば、期間経過後でも提起できる(14条1項・2項ただし書)
  • 被告を誤った:故意または重大な過失がなければ、申立てにより被告を変更できる(15条)

期間の数字(6か月・1年など)は 行政法の「期間」を1枚の表で で確認できます。

ひっかけになりやすい点

  • 「口頭で処分をする場合も教示しなければならない」→×(両法とも不要)
  • 「行訴法でも、利害関係人から求められたら教示しなければならない」→×(行審法だけ)
  • 「行審法の教示では、被告とすべき者を教示する」→×(すべき行政庁・期間・できる旨)
  • 「教示を誤った行政庁に審査請求した場合は、却下される」→×(送付され、初めから適法にされたものとみなす)
  • 「行訴法46条の教示は、取消訴訟だけでなく、当事者訴訟にもある」→○(形式的当事者訴訟について被告・出訴期間の教示、46条3項)

まとめ:覚え方は3つだけ

  1. 書面の処分には書面で教示。口頭の処分は両法とも教示不要
  2. 行審法=できる旨・すべき行政庁・期間(利害関係人にも)、行訴法=被告・出訴期間・前置
  3. 誤りや教示なしは、行審法なら「送付+初めからみなす」、行訴法なら14条・15条で救う

取消判決の効力など抗告訴訟の全体は 抗告訴訟の準用を一覧表で整理、試験直前の過ごし方は 行政書士試験の前日と当日の過ごし方 と 直前3日間のやることリスト にまとめています。

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この記事を書いた人

元高校数学教師(4年)、いまは不動産会社で働く宅建士。宅建は独学200時間で合格し、現在は行政書士と不動産証券化マスターに挑戦中。資格の勉強をライフワークに、AI(Claude)と計画を立てながら、働きながら資格を取り続ける記録を書いています。

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